*9段*

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何かのドラマで主役の女性が涙を流しながら 『2人の人を好きになったらいけないの?』 元カレと別の男性2人に思われ、自分もどちらも好きで悩んでた。 優柔不断ではっきりしないその主役の女性に苛々してた。 欲張りすぎ、どっちにもいい顔しすぎ… いろんなこと思ったっけ。 でも、今なら判る。 そんなに簡単なものじゃない。 麻田さんは好き。 大好き… でも佐伯さんと逢いたい。 ただ一緒にいたい。 どうしょうもない。 勝手なもので佐伯さんはここにいない。 いない佐伯さんに恋い焦がれるよりも、目の前にいる麻田さんに、当り前に触れることができる麻田さんに夢中になる。 …! バックの中で携帯が震えてる。 電話? メール? 確認したくなる。 『どうした?』 こんな些細な変化にも気付く麻田さん。 『なんでもない。』 やっぱりダメ。 もう佐伯さんはダメ。今度電話がきたら…また誘ってくれたら断ろう。 本当にそう思った。 佐伯さんの気持ちが判ったから、余計にそうしなきゃって思う。  
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