*11段*

3/42
前へ
/628ページ
次へ
退社時刻が近づくといつも以上にドキドキしてきた。 佐伯さんに逢える…それだけじゃない。 今の私… 危険だよ。 時間よりかなり早く着いたホテルのロビーでソファーに腰掛け行き交う人を見ていた。 師走に入った街は例年通り人が溢れていて、みんな楽しそう。 『どうしたの?浮かない顔して』 あ… 涙が出そうになるくらいに染み込んでくる響き。 『佐伯さん…』 『久しぶりに見たゆずちゃんは泣き顔?』
/628ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7495人が本棚に入れています
本棚に追加