*11段*

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---  ーーー エレベーターに乗ると佐伯さんが5Fのボタンを押した。 慌てて1Fのボタンを押す。 ガタンと音をたて5Fに停止する。 機械音と共にドアが開くと無言のまま佐伯さんが降りた。 あ… 振り向きもせず廊下を進む。 佐伯さんは何も言ってはいない… だからここで『おやすみなさい』と声をかければいい。 なのに私はエレベーターを降り、カラのままドアを閉じ下へ降りて行くのを見届けた。 俯きながら、一歩一歩を踏み締め佐伯さんの後に付いてゆく… 胸は張り裂けそう ドキドキとダメになるかもしれない麻田さんへの罪悪感 佐伯さんは振り向きもしない。 まるで私がついて来ることが判っているみたい。
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