*11段*

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佐伯さんが側にきて動きそうにない私を抱きしめた 『…ゆず…』 初めて『ゆず』って呼んだ。 佐伯さん、上手すぎるよ…このタイミングは。 この一歩を踏み出したら私は狂う。 佐伯さんの官能的なキスに悪魔が囁く …いいじゃない、そんなこと。どうだって… ううん、私、多分見境がなくなる。 私の中の 人様の旦那様は男じゃない ずっと反対の立場を考えたらって思ってた。 自分が奥さんの立場なら…って。 自分のしたことは必ず自分に返って来る…って でも、違った。 一番じゃないことがイヤなだけの我儘だった。
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