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『イヤだって、帰るんだから』
『うるせッ』
急に甲高い笑い声が聞こえた。
『何やってんの?修司。バカはアナタじゃない?』
チッ
麻田さんが小さく舌打ちした。
でもそれは彼女の言葉にではなく、空車のタクシーが通らないことへだった。
『離してよ、一人で帰るから』
『一緒乗れよ』
『嫌だって』
『修司!修司らしくないことしないでよ。そんな格好悪いことしないでよ!』
『はぁ?何言ってんだ?好きな奴に格好つけてどうすんだよ?格好つけてる余裕あるかよ』
『うそ…修司…』
彼女が突っ立つまま呟いた。
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