*11段*

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『イヤだって、帰るんだから』 『うるせッ』 急に甲高い笑い声が聞こえた。 『何やってんの?修司。バカはアナタじゃない?』 チッ 麻田さんが小さく舌打ちした。 でもそれは彼女の言葉にではなく、空車のタクシーが通らないことへだった。 『離してよ、一人で帰るから』 『一緒乗れよ』 『嫌だって』 『修司!修司らしくないことしないでよ。そんな格好悪いことしないでよ!』 『はぁ?何言ってんだ?好きな奴に格好つけてどうすんだよ?格好つけてる余裕あるかよ』 『うそ…修司…』 彼女が突っ立つまま呟いた。
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