*1段*

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結局笑われたままお開きになった。 社内でなんて言われているかも聞けないまま… 踏んだり蹴ったりだ。 釈然としないまま、一人タクシーに乗った。 麻田さんの送っていくとの言葉は丁重にお断りさせて貰った。 そのやり取りを聞いていた佐伯さんが下を向いて肩を震わせているのがとても気になった。 必死に断っているのに笑いを堪えることないじゃない。 すごい素敵で大人、でもちょっと意地悪 それが、佐伯さんの印象だった。 指輪をしている人は私の中では「男」ではない…それが、何度も佐伯さんにドキドキしたことを忘れさせていた。
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