第一譚…さよなら

11/46
前へ
/520ページ
次へ
ニノと別れて数10メートル、俺は今更ながらにニノから金を借りていたことを思い出した。 なぜか知らないが、急に数日前のファミレスが頭に浮かんだのだ。 「今のうちに返しといたがいいよな。」 …それに、どうせ暇だし、アイツの家に遊びに行くのもいいかもしれない。 引き返し、しばらく走る。 ニノはいない。 …もうそんなに離れちまったかな? 不思議な感覚を覚え、周りを見る。 すると……いた。 ニノはぽつんと、アスファルトから離れた河原に立っていた。 河原、といっても増水のせいで堀と大差ないが。
/520ページ

最初のコメントを投稿しよう!

327人が本棚に入れています
本棚に追加