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筋肉が悲鳴を上げるが、気合いで黙らせる。
水流が荒れ狂おうが関係ない。
「佐野、おまえは本当に良い奴だな。
…おまえと友達でよかったよ。」
「はぁ、はぁ。
てめぇ、なに、力抜いてやがんだ!」
「楽しかった。毎日が。
輝いてた。」
手の鎖がほつれ、緩む。
「だから、さ。
これからも、笑って生きろよ?」
何故だか、鮮明にニノの言葉が聞こえる。
「最後に一つ、そいつノラネコみたいだから、悪いけど、世話頼む。」
ニノの手が離れた。
「……………」
ニノが瞬間、囁いた。
俺の耳に、たしかに届いた。
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