第一譚…さよなら

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クリークの上を歩く、俺とニノ。 こいつとは中学からの付き合いで、なにかと支え合って毎日を過ごしてきた。 「ところでよ、ニノ。」 「ん?」 「おまえ大学どこ行くんだっけ?」 「ああ、K大の文学部だよ。」 「かーっ、いいねぇおまえは。推薦で受かったんだろ?」 わざとらしく俺は肩をすくめる。 「へへっ、悪いね。」 「俺もおまえみたいになにか特技があればなぁ…」 こうみえてニノは、作文、論文系に強く、何度も有名な賞を取っているのだ。 「今度の卒業式でもおまえ、なんか読むんだろ?」 「まあ、ね。 俺、そーゆうの苦手だから、緊張してろれつがまわらなくなりそーだけど。」 そういうニノの顔は照れ臭そうに輝いていた。
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