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クリークの上を歩く、俺とニノ。
こいつとは中学からの付き合いで、なにかと支え合って毎日を過ごしてきた。
「ところでよ、ニノ。」
「ん?」
「おまえ大学どこ行くんだっけ?」
「ああ、K大の文学部だよ。」
「かーっ、いいねぇおまえは。推薦で受かったんだろ?」
わざとらしく俺は肩をすくめる。
「へへっ、悪いね。」
「俺もおまえみたいになにか特技があればなぁ…」
こうみえてニノは、作文、論文系に強く、何度も有名な賞を取っているのだ。
「今度の卒業式でもおまえ、なんか読むんだろ?」
「まあ、ね。
俺、そーゆうの苦手だから、緊張してろれつがまわらなくなりそーだけど。」
そういうニノの顔は照れ臭そうに輝いていた。
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