プロローグ

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「いえいえとんでもない」 「ふん、とりあえずもうすぐ着くらしいから支度しなさい」 言いながらおにぎりを投げてきた。 相変わらず優しいんだか優しくないんだかわかんないな。 「ありがたくいただくよ」 お礼を言ってから包みを開けて米の塊を一口で頬張る。 コンビニで買ったものなのであまり美味しくないが我慢しよう。 俺はカロリーさえ摂れればいいんだし。 「…………足りないや……」 30秒で飲み込んでしまった。 美味しくないものを口に残したくないから飲み込むのも早い。 かといってあの程度じゃ腹の足しにならないんだけど。 「空伽…おかわりない?」 「……はぁ」 ため息をついた。 そんなに変なことを言っただろうか? 「あんたねぇ、それ10個目よ?ここに来るまでに目茶苦茶食べたでしょう?」 「それは……別腹だよ」 「意味分かんないわよ………ったく、しょうがないわね」
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