プロローグ

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言いながらゴソゴソと膝の上にあった鞄を探る。 やがて何かを見つけ、 「はい、あげるわ」 手渡してきたのは3段の重箱。 見るからに重そうで、僕としてはとてもありがたいんだけど、 「誰が作ったの?」 「………お母さん………の娘」 「……ようするに空伽が作っ…」 「五月蠅いわね!!ちゃんと2段目と3段目はお母さんが作ったのよ!?」 「ならいいんだけど…」 「文句言うなら返して貰うわよ?」 「いやいや、文句なんてございませんよっと」 とりあえずは腹拵え(はらごしらえ)だ。 1段目を開けてみる。 何やら紫のスープと青いマッシュポテトみたいなものが混在しカオスを作りだしていた。 「うん、無理」 早々に諦めて2段目を開けようとした時、 「無理じゃないわよ!!」 殴られた。 「結構早起きして作ったのよ!?一口ぐらい食べなさい!!」 「なら聞くけどさ…味見した?」 「……………」 「味見してないものを他人に食べさせるなとあれほど!!」 「う、五月蠅いわね…ちょっと忘れてただけじゃない」 「これはちょっとじゃ…」 そう、ちょっとどころではない。 どうやればあんなものが作れるのかわからない。
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