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「でも過去があるから喜依を忘れず自分の感情に悩み見失ってる。
このまま俺は消えようか?
過去の記憶を…喜依を好きだと言う感情を持って」
それは…どう言う事だ?
また喜依の事を忘れるのか?
…
いや俺?の言いたい事は全て分かってる。
俺は俺だ。
喜依の事が無くなれば…気兼ねなく喜美を…
そう、喜美の好意を素直に受け取っただろう。
自分の気持ちが分かってくる。
「俺…は…」
「人は変わるっ!
過去を捨てたり忘れたりすることは同じ事の繰り返しであろう!!!」
「喜美ちゃん」
そうだ…そうだ!
忘れても何の解決にもならなかった…
向き合う…向き合わないと!
「ああ!俺は今も喜依が好きだ!」
「ま、俺が居るしな」
俺?はつまらなそうに呟く。
「その気持ちを忘れたいとも思わない!」
「………」
喜美は黙って話を聞いてくれる。
「でも喜美も同じくらい好きだ!」
中途半端で身勝手な気持ちだ…でも
俺は喜美に向き直る。
「それじゃダメかな?」
今、俺は喜美の告白にたいする正式な答えを出した。
やっと見付けた…
「………
ダメな訳がなかろうっ!」
喜美が抱き着いてきて俺の胸で涙を流している。
ふと、もうひとりの俺の姿が視界に入った。
良かったな
そう呟いていた。
喜依も喜美も好きだ…それは本当に身勝手だ。
でも
俺は肩を震わす喜美を見る。
ごめん…
もう迷わない。
一途に俺の事を思ってくれた彼女への謝罪とこれからは自分の気持ちには迷わない
と、心に誓った。
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