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「幽霊だよ」
喜依が自分の正体を明かす。
喜美が泣き止んだのをきっかけに話が進んだ。
「俺は…純過去だな
6年前のお前が具現化した存在だ。
記憶喪失のセイで色々と俺とお前でズレが生じて
ま、上手くお前の記憶に溶け込めなかった結果だな。
言っとくが原因の半分…いや全部お前のセイだからな」
純過去の俺はそう言った。
「上手くたきつけれたみたいだし出て来て正解だったな。
…
自分にとって不利な事はしない」
喜依が幽霊…確かに6年前の姿でそしてユリカの存在から簡単に受け入れる事ができる。
「俺がいなければお前は喜美を受け入れていただろうな。
でもな、お前は俺だ。
後々、喜依の影が見えはじめるのは分かりきった事だ。
そうなれば喜美とも上手くいかない、だろ?」
喜美に「その通りだろ?」っと視線を送る純過去の俺。
「もっと早い段階から見えておった」
「何か悪者になった気分だよ」
喜依が複雑そうに首を傾げながら呟いた。
「違うだろ」
「違うな」
純過去の俺が何を言いたいか分かり頷く。
喜美と喜依が確かに違う事だ。
「あ、そうだ。
6年ぶりかな…」
「ストップ」
俺は自分のポケットに手を入れ品をだそうとした時、K(かこ)俺に止められる。
「それを渡すのは俺の方が適任だ。
いや、渡させろ!」
「のわっと」
喜依へのプレゼントを奪われた。
「遅れてゴメン…誕生日おめでとう」
なんか複雑な気分だな。
「覚えてくれてて嬉しいよ」
目の前で繰り広げられてるK俺からのプレゼント渡し…
俺は寒かったのもありポケットに手を入れ直す。
「?」
まだ何かがポケットに入っていた。
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