引っ越し

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「ふぅ明日筋肉痛だな」 腰をとんとんする俺。 「まだ終わってないわ」 雅は俺に現実を突き付ける。 「あぁ」 夏波の引っ越しが終わり今休憩 時間も昼飯時でカレーだ。作ってる量からして夜もカレーかな。 「でも意外だな」 俺は夏波の部屋を思い出しながら夏波にそう言う。 「まぁ部屋だけでも女の子らしくってね」 そして夏波は「はは、少し恥ずかしいね」と言う。 「壁紙は、いいのか?」 喜美は夏波に聞き「張り付けならこいつを使えばいいぞ。」と言う。 「新しいの買って来たけど…」 「手伝わなくていいのか?」 喜美は更に聞く「問答無用」と雅が呟く。 意味は分からない。 「デコレーションも楽しまないとね」 ?で、デコ… 「喜美の部屋何か気味悪くて入れないな」 怖い顔のお面がバーンっと… 「前住んでた所は、追い出されたんだ」 カチャ。カレーを救うスプーンが皿に当たる。 「何仕出かしたんだ」 「何もクモスケとクモコを飼ってただけだ」 「……毒グモ」 「え!?」 雅の呟きに、脳内でイメージがわく。 「子供が大量発生してな、これがもう大騒ぎだ」 「……毒グモハウス」 「うえ!?」 「幸い、被害はゼロだな」 「な、なぁ今は」 「ギョゾウを飼っている」 ギョゾウ? 「あ、あの魚ね」 「毒魚」 「え!?」 「毒は無いでしょ」 夏波が突っ込む。 「雅、心臓に悪い」 「ふふ、ありがと」 褒めてない。 「ここか」 今度は雅の部屋だ。入る。 「白!」 殺風景で、物は白中心。 「…相変わらず不思議な所ね」 夏波が呟く。 「一歩間違ったら世界が真っ赤だからな」 「は?」 「そこの掛絵を外してみろ」 俺は、恐る恐る外す。 「な!?」 赤、赤黒かった。 「絵の具だけどね」 「へ」 「夏波、もう少しリアクションを楽しんでもよかろう」 絵の具か、ふぅ… 「さっさと運ばんか」 「あ、あぁ」 別世界と言うか、吸い込まれそうな所だな。 「そっち持って」 夏波と俺は、重い物を中心に運ぶ。 「壁紙も真っ白だな」 生活感を感じないと言うか。 「私も壁紙買って来たわ」 「あっそ」 「つ、疲れたぁ」 山の向こうが朱色に染まっている。 「1日潰してしまったのか」 俺の部屋の右に喜美の部屋がありその隣に雅 俺の部屋の左に夏波の部屋。 「早速だけど、はいカレー」 夏波が皿を置く。折を見て温めたそうだ。 「自然と俺の部屋に集まるのな」
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