魔法

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緊張する… 亮の実家の玄関で、私の足は止まってしまった。 実家に挨拶に行った時の比にならないくらい… 私は緊張でガチガチになっていた。 「杏、ほら早く!」 「心の準備が…」 「この前、杏は待ってくれなかったでしょ」 亮は意地悪に笑うとさっさと玄関を開けた! 仕返しだ! 絶対この前の仕返しだ! 亮の背中を睨んだが… 視界にお母様らしき人が見えて、私は慌てて笑顔を作った。 「お袋、こちら上条杏さん。わたしのお嫁さん」 わたし?亮その口調でいいの? 私は疑問に思い、挨拶が一瞬遅れてしまった。 「はっ初めまして上条です」 「初めまして、亮の母です。上条さんが綺麗な方で嬉しいわ。これから仲良くしましょうね」 そう言ってニコニコ笑うお母様は、目元が亮にそっくりで…私は一気に親近感が湧いた。 「どうぞ、お上がりになって」 「お邪魔します」 杏、頑張れ! 自分自身で励まして、私は亮の実家に突入した。
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