魔法

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「今度の日曜日、畠山君と家に来なさい」 父親からの突然の電話は、あれから一ヶ月過ぎ、私が諦めかけた頃に掛かってきた。 「亮!亮大変! お父さんが亮と一緒に家に来なさいだって!」 「本当に?」 「うん!」 亮は本当に嬉しそうだった。この一ヶ月の間殆ど笑う事の無かった亮の顔に、久しぶりに笑顔が戻った。 それだけでも私は十分に嬉しかった。 「今度こそ、私が好きな男バージョンでね 」 久しぶりに私は亮に冗談でそう言うと 「多分、このままでも平気よ」 と亮は意味深な言い方をした。 このままで平気? そんな訳無いでしょ? 「またお父さん怒らせるよ…亮は認めて欲しくないの?」 「違うわよ!認めて欲しいから、このままがいいの!!」 さっぱり意味が分からないが、亮がこういう風にはぐらかす時は何か有るのを私は知っている。 亮を信じて任せますか…
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