魔法

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「畠山君いらっしゃい。さあさあ上がって!」 「お邪魔します。 お父さんこの前お話されていたお酒、見付かりましたよ」 「そうか、じゃあ早速今晩頂こう」 はっ? 一体どうなってるの? 笑顔で私達を迎える父親に私は驚いて、そして更に驚く会話の内容に亮と父親を交互に見た。 だけど驚いている私に、二人共説明を全くしてくれず… そして今も二人は何故か盛り上がって…お酒の話をしている。 父親が席を立った隙に、私は亮に 「一体どうなってるの?どういう事?」 とこっそり聞くと… 「魔法を使ったのよ」 亮はそれだけしか言わずに、意地悪に笑っている。 魔法って…そんな訳ないでしょうが! 納得いかない私は、戻って来た父親にも同じ質問をすると 「男同士の秘密だな」 と父親も笑って答えてはくれなかった。 母親も『畠山さんは本当にいい人ね、杏には勿体ないわ』と笑って言っているし… 私一人だけ何が何だか分からないまま、亮はすっかり両親と仲良くなっていた。 魔法って… 本当にあるのですか?
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