魔法

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この前は亮を馬鹿にしてごめんなさい! 私は鏡の前で泣きそうになりながら、3着目のワンピースをまた脱いだ。 「杏、決まった?」 「亮どうしよ…これ派手じゃない?」 「さっきので大丈夫よ」 「でも…」 私は4着目のワンピースに手を掛けた。 いや…むしろワンピースよりスーツ? 「亮!これは?」 「もう!さっきのがいいって言ってるでしょ! 遅れちゃうわよ!」 時計を見ると… 本当だ! もう時間が無い! 前回と逆のパターンに私は陥っている。 こんなに慌ててるのは… 亮のご両親に挨拶に行く、というが急に今朝決まったから。 せめて一週間前に教えて欲しかった… 私は、のんびりと余裕でコーヒーを飲んでいる亮を睨んだ。 「お菓子とかは?何持って行けばいいの?」 「行く途中に買うから大丈夫よ。それより杏、早くしてよ」 「もう!今終わるから」 私は迷いに迷ったが… 亮がお気に入りの淡いグリーンのワンピースに決めた。 緊張する暇も無いんだから…
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