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次は、待ってました!マオちゃんの番だ!
『あたしの番だね~』
『っ!?』
聞き慣れないメロディーが流れる。
いや、下手じゃないし、歌詞も可愛いんだが…
これがうわさの電波ソングか…
僕ももう少し覚えないとまずいかな。
とにかく、マオちゃんかわい~よ!(心の叫び)
マオちゃんの歌が終了。
『あ、朝倉さん上手だね。』僕の精一杯の褒め言葉。
『ゆうすけ、ありがとう~』
マオちゃんの最高の笑顔。
生きてて良かった~!
さあ次は僕の番だ。 僕は、無難にバラードを歌おう。
みんなの視線が僕に一気に集中する。
うっ…緊張する。みんなこんな状況で歌っていたのか。
僕が歌い出すと、みんなの表情は真剣な顔になる。
あれ?僕はもしかして、音痴なのか?
考えてみたら、歌ったことほとんど無かったしな。
不安と緊張の中、僕の出番は終了した。
『…』
重たい空気…
長い沈黙…
…終わったな。
僕は部屋を飛び出そうとしたまさにその時…
『ブラボー!ゆうすけ活かしてるぜ~!』遼が言った。
『まるでプロみたい。』桜井さんも続く。
『あんたにしてはなかなかやるじゃない。』あのアズサが…!?
『凄い、ホントにお上手です。』黒木さんも手をはたいている。
『ゆうすけにも、一つくらい取り柄があるもんだねぇ~。』ま、マオちゃん…
なんかとてつもなく、僕は今世界が明るくなった気がする。
『みんな、ありがとう。』
僕は照れながら、席に戻った。
次は、黒木さんの番だ。
この前、カラオケ行ったことないって言ってたけど、大丈夫かな?
『曲はどうやって入れますの?』
『こうやるんだよぉ~。』
いつの間にか、黒木さんとマオちゃんは上手く打ち解けて、仲良くなっていたようだ。
あの外見と性格だ、他より早く仲良くなれるのも頷ける。
『マオが曲入れてあげるねぇ~。えいっ。』
全く知らないマイナーな曲が流れた。
黒木さんこんなの歌うのか。
『あっ…ごめん。黒っち。間違えちゃった(笑)』
『…構いませんわ。どんな歌だろうと対応してみせます!』
黒木さん燃えてるな。
黒木さん…音程が…常に一定だ。
歌というより棒読みだ。
みんな唖然としている。
しかし、本人は一生懸命。
ま、まあ…歌ったことないし、仕方ないだろ。
黒木さんの出番が終了。
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