みんなでカラオケ!

2/3
前へ
/31ページ
次へ
次は、待ってました!マオちゃんの番だ! 『あたしの番だね~』 『っ!?』 聞き慣れないメロディーが流れる。 いや、下手じゃないし、歌詞も可愛いんだが… これがうわさの電波ソングか… 僕ももう少し覚えないとまずいかな。 とにかく、マオちゃんかわい~よ!(心の叫び) マオちゃんの歌が終了。 『あ、朝倉さん上手だね。』僕の精一杯の褒め言葉。 『ゆうすけ、ありがとう~』 マオちゃんの最高の笑顔。 生きてて良かった~! さあ次は僕の番だ。 僕は、無難にバラードを歌おう。 みんなの視線が僕に一気に集中する。 うっ…緊張する。みんなこんな状況で歌っていたのか。 僕が歌い出すと、みんなの表情は真剣な顔になる。 あれ?僕はもしかして、音痴なのか? 考えてみたら、歌ったことほとんど無かったしな。 不安と緊張の中、僕の出番は終了した。 『…』 重たい空気… 長い沈黙… …終わったな。 僕は部屋を飛び出そうとしたまさにその時… 『ブラボー!ゆうすけ活かしてるぜ~!』遼が言った。 『まるでプロみたい。』桜井さんも続く。 『あんたにしてはなかなかやるじゃない。』あのアズサが…!? 『凄い、ホントにお上手です。』黒木さんも手をはたいている。 『ゆうすけにも、一つくらい取り柄があるもんだねぇ~。』ま、マオちゃん… なんかとてつもなく、僕は今世界が明るくなった気がする。 『みんな、ありがとう。』 僕は照れながら、席に戻った。 次は、黒木さんの番だ。 この前、カラオケ行ったことないって言ってたけど、大丈夫かな? 『曲はどうやって入れますの?』 『こうやるんだよぉ~。』 いつの間にか、黒木さんとマオちゃんは上手く打ち解けて、仲良くなっていたようだ。 あの外見と性格だ、他より早く仲良くなれるのも頷ける。 『マオが曲入れてあげるねぇ~。えいっ。』 全く知らないマイナーな曲が流れた。 黒木さんこんなの歌うのか。 『あっ…ごめん。黒っち。間違えちゃった(笑)』 『…構いませんわ。どんな歌だろうと対応してみせます!』 黒木さん燃えてるな。 黒木さん…音程が…常に一定だ。 歌というより棒読みだ。 みんな唖然としている。 しかし、本人は一生懸命。 ま、まあ…歌ったことないし、仕方ないだろ。 黒木さんの出番が終了。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加