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もう春だ。
桜の舞う季節。
僕は二年生になった。
僕は【有馬優祐】。
鳩がシンボルで、優雅さがウリの「エレガント学園」に通う高校生だ。
今日は入学式。
僕は今登校中だ。
家から歩いて10分くらい。
この高校にしたのは、家から近かったのもあるかも知れない。
でも、それよりも…
何十倍も大きかった理由は…
あの娘がこの高校に行くから。
実は、僕には気になる女の子がいるんだ。
その子の名前は…
『お~い、ゆうすけ~』
僕はその聞き慣れたハスキーな声に少しドキッとした。
振り返ると、その娘が僕に向かって、
笑顔で小走りしつつ、近づいてくる。
その娘が近づくにつれて、僕の呼吸は少しずつ乱れ、心臓の鼓動が大きくなる。
ま、マオちゃんだっ!
ツルッ、ズテッ!
あっ!?マオちゃん!!
僕はマオちゃんに向かって全力疾走!
だが、目の前に行く頃には起き上がっていた。
『ふぅ~、やっと追いついたよ~。』
『だ、大丈夫?朝倉さん…』
『もう~!幼なじみなんだし、マオでいいってぇ、いつも言ってるでしょお?』
『い、いや…でも…』
『取りあえずねぇ、急がないとぉ、入学式始まっちゃうよ~。』
『そ、そうだね…』
僕達は学校に向かって再び歩き始めることにした。
隣にいると尚更、彼女の顔は直視できない。
こんな普通のあいさつぐらい、ちゃんと出来るはずなのに…
この娘、【朝倉マオ】は、僕の幼なじみだ。
キレイというよりカワイイ。
オトナというよりコドモだ。
身長は、僕の肩くらいしかない。
声は小鳥の囀りのように美しく聞こえが良い。
成績はそんなに良くはない。
運動能力は皆無。
休日はゲームとアニメに没頭するのが日課。
将来の夢は、愛する人と一生ベタベタすることだと僕の前で言い切ったことがある。
また彼女は道に何も無くてもコロぶことにおいては達人のレベルだ。
…とまあ、僕が知ってるのはこれくらいだ。
それにしても、話したくても話せない変なジレンマが身にまとっている。
なんとかしなくちゃ…
そうこう考えてるうちに、エレガント学園に着いた。
今日は入学式。
一体誰が入学するんだろう…
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