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巨大体育館を出ると、彼女がいた。
『ね、ねぇっ!』
僕は思わず呼びかけた。
彼女は雲の流れのようにゆっくりと振り向く。
『…何ですか?』
僕は一瞬たじろいだ。
僕は何でこの娘を追いかけたんだっけ?
『用も無いのに話しかけないでくださらない?』
彼女はそう言い放つと、裏庭の方へ歩きはじめた。
あっ…行っちゃう!
『ま、待って!き、君の名前は?』
『……黒木、マイ。』
彼女は裏庭へ消えた。
僕はどうするべきかわからなくなった。
『とりあえず、戻るか。』
僕は体育館に戻った。
キザなボーカル:『みんなぁ!ありがとぅ~』
どうやら、歓迎ライブも終わったみたいだ。
マオちゃんは…友達と一緒に抱き合っていた。
決めた!僕も来年は、バンドやろ!
ゾクッ…冷たい視線を感じる。
ソロ~っと右手のほうへ顔を向ける。
『ム~…』
『うわっ!』
でたっ! やつだ!
宝城アズサがなぜか僕のことを睨んでいる。
ものすごく不機嫌そうだ。
いや、待て。僕は何かしたか?
そうだ、僕は悪くない。堂々としていればいいのだ。
自己解決したので、アズサは放っておくことにした。
校長が良い話のようだが、何やらよく分からない長話をしているうちに、入学式は閉会を迎えた。
入学式も終わり、自分のクラスに戻る。
クラスに戻る途中、親友の【三谷遼】と話ながら戻った。
彼は運動神経抜群!野球部のエースで4番。
最高球速145キロ投げるって聞いた。
僕はあまり野球詳しく無いが、とにかく速かった。
また、成績も超優秀!東大も狙える偏差値70超の天才児だ。
エレガント学園は、クラスの学力のレベルがバラバラだが、中でもこいつは抜きん出ている。
だが、ルックスがいまいちで女子にモテない。こればかりは仕方がないが…
僕のクラスは2年B組だ。
2年B組も、もちろん10人編成。
僕とマオちゃん、アズサ、さっきの遼はみんな同じクラスだ。
クラスに戻り、授業が始まった。
いつもと同じ退屈な時間だ。
今日帰ったら何やろっかな?
僕は勉強が嫌いだった…
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