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ゴールデンウイーク!
新入生が入学して早1ヶ月。
僕は今、自由を感じたいので、街中を歩いていた。
今日からゴールデンウイークだ。
僕は勉強から解放されるのがとても嬉しい。
三谷遼が、みんなでカラオケに行こうと僕に発案してきた。
6人で行くと割引になる割引券も遼が持っていたのだが…
遼の奴…
『人選は優祐!お前に任せる!』
まったく、めんどくさいことを僕に押し付けて…
まだ僕と遼の二人しかいないじゃないか…
仕方がないから引き受けたが…
まず、メンバーは僕だろ。
それから、絶対マオちゃん!
でも、マオちゃんの目の前だと緊張して絶対誘えないんだよな…
あ、そうだ!
マオちゃんの友達の桜井さんを誘おう!
彼女なら、普通に話せるし、マオちゃんを誘ってくれるだろう。
ついでに遼だとしても、二人余るな。
う~ん…誰を誘おうかな~。
迷いながら歩いていると、見覚えのある顔があった。
『あっ、アズサ!』
キッと僕のことを睨む【宝城アズサ】。
『なによ!久しぶりの休みなのに、あんたに会うなんて最悪だわっ!』
開口一番とんでもないことをいう女だ。
しかし、僕はいちいち気にしない。
『おいっ、アズサ。カラオケの割引券があるんだけど、お前くる?』
『なっ…!?』
明らかに動揺している。やっぱりまずかったかな…
『嫌ならいいや。』
『そ、そんなことないわよ!そうね、どうしてもって言うなら、行ってあげなくもないわ!』
一体どっちなんだ?
『じゃあ今週の水曜日の10時にカラオケ屋の前で集合な。』
『わかったわ。』
とりあえず、1人目は完了っと。
あと1人は…
『そうだ、あの娘なら…』
僕の頭を今一瞬よぎったのは、あの一年生【黒木マイ】だ。
だが、家も番号も分からない。
『そういえば、彼女、入学式の時は…』
僕はエレガント学園に向かって走り出した。
学園に着くと、僕は一直線に裏庭に向かった。
裏庭のエレガント学園名物広大薔薇園。
ここは、周りが薔薇に囲まれて、見えないので、サボるのはうってつけの場所なのだ。
彼女はここにいるかも知れない。
そんな僕の予感は当たった。
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