ゴールデンウイーク!

1/2
前へ
/31ページ
次へ

ゴールデンウイーク!

新入生が入学して早1ヶ月。 僕は今、自由を感じたいので、街中を歩いていた。 今日からゴールデンウイークだ。 僕は勉強から解放されるのがとても嬉しい。 三谷遼が、みんなでカラオケに行こうと僕に発案してきた。 6人で行くと割引になる割引券も遼が持っていたのだが… 遼の奴… 『人選は優祐!お前に任せる!』 まったく、めんどくさいことを僕に押し付けて… まだ僕と遼の二人しかいないじゃないか… 仕方がないから引き受けたが… まず、メンバーは僕だろ。 それから、絶対マオちゃん! でも、マオちゃんの目の前だと緊張して絶対誘えないんだよな… あ、そうだ! マオちゃんの友達の桜井さんを誘おう! 彼女なら、普通に話せるし、マオちゃんを誘ってくれるだろう。 ついでに遼だとしても、二人余るな。 う~ん…誰を誘おうかな~。 迷いながら歩いていると、見覚えのある顔があった。 『あっ、アズサ!』 キッと僕のことを睨む【宝城アズサ】。 『なによ!久しぶりの休みなのに、あんたに会うなんて最悪だわっ!』 開口一番とんでもないことをいう女だ。 しかし、僕はいちいち気にしない。 『おいっ、アズサ。カラオケの割引券があるんだけど、お前くる?』 『なっ…!?』 明らかに動揺している。やっぱりまずかったかな… 『嫌ならいいや。』 『そ、そんなことないわよ!そうね、どうしてもって言うなら、行ってあげなくもないわ!』 一体どっちなんだ? 『じゃあ今週の水曜日の10時にカラオケ屋の前で集合な。』 『わかったわ。』 とりあえず、1人目は完了っと。 あと1人は… 『そうだ、あの娘なら…』 僕の頭を今一瞬よぎったのは、あの一年生【黒木マイ】だ。 だが、家も番号も分からない。 『そういえば、彼女、入学式の時は…』 僕はエレガント学園に向かって走り出した。 学園に着くと、僕は一直線に裏庭に向かった。 裏庭のエレガント学園名物広大薔薇園。 ここは、周りが薔薇に囲まれて、見えないので、サボるのはうってつけの場所なのだ。 彼女はここにいるかも知れない。 そんな僕の予感は当たった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加