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そっと、頬に手が差し伸べられる。
『おはよう、というべきかな?』
『……ぁー…』
【あー】しか出なかった。
『初めまして。私はDr.中野だ。…君は?』
彼は自分の名前を知ってるか、私に聞いた。
…名前?
私の……名前。
しばらく考えたが分からないので首を振った。
『ふむ…君は……瀬名。名前は瀬名だよ』
『…ぁー…?』
瀬名―。
私の名前は、瀬名。
自分に言い聞かして男を見る。
彼は笑ってタオルに手をかけた。
『君が生まれてきた理由。知りたいかい?』
コクン、私は頷く。
『今、この世界は人が溢れ食糧がなくなってきている。その為に人々は戦争を繰り返し、世界はめちゃくちゃだ。』
ここまでは分かる?と目で合図され、何となく分かるのでまた頷く。
『そこで、君が生まれた。…瀬名はこの世界から戦争を無くすために人々を救済して欲しい。…出来るね?』
それが、私が生まれて背負った役目。
今を生きる根本的考え。
すべてはここから始まる。
男は言った。
『君は最高傑作だ』と。
私は理解する
私はここで生まれた
最初で最後の…
『人間兵器』
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