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そう。全然相手にされない私は最近になって、諦めようか、とか思ってたり。
「はー……やめようかな…本当に。」
「何をだよ?」
後ろから聞こえた声。
それは今まさに私が卒業しようとしている跡部景吾の声だった。
「やー……恋?」
突然の登場に驚きながらも答える。
「なんだよ。諦めんのか」
何にも知らないくせに。
「言ってみなきゃわかんねぇだろ?」
何も知らないくせに。
「……じゃあ、言えば良いの…?」
「…あ?」
「毎日言ってるんだけどなぁ……やっぱダメか」
自嘲気味に笑う。
「跡部がすきだったよ」
どうせなら
「まー、それもさっきまでの事だけどね!」
どうせなら。
「もういいや。」
めいいっぱい嫌われてやる。
「じゃあ、私は跡部から卒業って事で。」
少し笑って言ってみた。
「ばいばーい…」
急いで屋上を出る。
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