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「はー……っ…大分走ったなぁ…」
「さーくーやー…」
「うひゃあ!」
私は驚き、走りだす。
「待ちやがれ!」
「いーやーだー!」
私たちは校内を爆走。
そして先生に見つかり。
30分の説教。
そして指導室を出て。
また爆走(アホ)。
「っ――……待てよ!」
腕を捕まれる。
やっぱり現役テニス部には勝てない。
「………離して…」
「いやだ。話聞け。」
「うっさい私は卒業したの!もー構わないでっ」
「聞け!!」
「っ……」
跡部の剣幕に、私は驚いて動けなくなる。
「お前、言い逃げはねぇだろ。」
「だって……」
「俺も、お前に言いてぇことがある。」
あぁ。振られるんだ。
そう覚悟した。
一瞬、耳を鬱ぎたい衝動に駆られたが、抱き締められていてできない。
「俺も……すきだ。」
「………お友達として?」
「違ぇよ。」
何度も何度も聞き返す。
だって、信じられない。
「本当に?」
「あぁ。」
涙が出てくる。
「何泣いてやがる。」
「うぁー!泣いてないー」
「泣いてるじゃねぇか」
と呆れた声で跡部が呟き、
「泣いてないー!」
と私が喚く。
ふと、跡部の匂いに包まれた。
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