6人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「あ~やっぱり涼先輩だぁ~」
1人の男が嬉しそうに駆け寄ってきた。
「先輩もここにきたんですか?」
にこやかに話す彼を僕は不思議そうに見つめた。
「んっ!!もしかして、オレのこと忘れたんですか??」
「……」
「ヒドいな~先輩は~」
僕は初めて会う彼に親しみを感じつつも思い出せずにいた
「オレですよ。佐藤一輝(いつき)ですよ」
「一輝…?」
僕は少し考えて
「…すいません…人違いじゃないですか…」
そう言って、僕はその場を立ち去ろうとした。
「…先輩!!…詩織(しおり)さんもこの学校にいますよ」
「詩織…??」
聞いたことがあるどこか懐かしい名前だった。
…だが、どうしても思い出せない。
詩織…その名前が気になりつつも、また、歩き始めた。
一輝…詩織…何か懐かしいそんな思いが僕の心に残っていた
その後、学校を一回りして僕は学校を後にした。
バス、電車を乗り継ぎ家に帰る。
「ただいま」家に着くと、着なれないスーツをサッと脱ぎ捨て自分の部屋のベッドに寝ころんだ。
僕はただ一点を見つめていた、どうしてもあの名前が頭から離れないからだ。
最初のコメントを投稿しよう!