第壱章 出逢い

3/26
前へ
/1727ページ
次へ
私はボウリング場のフロントで仕事をしている。 ボウリング場とは不思議な所でなぜか平日の昼間は不倫カップルが多い。 普通のお客様は違うけどマイボウラーはかなりの確率で偽夫婦だ。 見て見ぬふりをするのが暗黙のルールだった。 今日は特にうちのセンターでも有名な水曜ダブルスリーグ。 10組のチーム中8組が不倫カップルだった。 私もつい最近まで不倫をしていたが昔とはかなりイメージちがう。 けどやっぱりドラマでポケベルが鳴らなくてを見ているとだんだんバカバカしく思えてきた。 それでも当時20歳だった私には結婚前にもう一華咲かせたいと言う願望が強かったから新しいターゲットを探していた。 「すいません。水曜日ダブルスリーグやってるってきいて見学に来たんですけどよろしいですか?」 珍しいこのリーグの見学なんて… かなりの珍客だ。 このリーグ見学に? 確にプロと一緒に投げられるリーグだけど外部から見に来るなんて… 「あっ、はい。どうぞ。今セクレタリー呼んで来ますね。」 一瞬止まってしまった。
/1727ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1938人が本棚に入れています
本棚に追加