ルール

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思い始めるとその衝動はどんどん膨らんでいった。 私はその衝動に理性をぶつけることでその膨らみをなんとか抑えようとした。 しかし、抑えても抑えても衝動の膨張は加速していく一方で、私の理性は追い付かなくなっていった。 その衝動に駆られた私は愛人を作ることにした。 誰でもいいというわけではない。恋愛感情、嫉妬心、独占欲を強く持つ女性は愛人に適していない。 そういう女性はやがて愛人という地位に不満を持ち始めるからだ。できるだけ頭のいい女性、物分かりのいい女性、都合のいい女性でなくてはいけなかった。 そして私は最高の愛人を見つけた。 彼女は整った顔立ちをしているが恋愛には強い興味を抱いていないらしく、長い間恋人を持たなかった。 感情をあまり表に出さず、冷静で頭がよく、「ルール」を守る女性だった。 私が「愛人になってほしい」と正直に言うと、無表情で二つ返事をくれた。 このとき、彼女ほど愛人に適任する人間はいないと心底思った。
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