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私は妻と愛し合いながらも彼女とも愛し合った。
彼女も顔にはあまり出さないが私を愛してくれていた。
愛人としての、愛人に適した量の愛情だった。
そして妻に対する愛情と彼女に対する愛情の分量が同等になったとき、私の快感は最高潮に達した。
自分は今最高に「ルール」を破っている、と実感できたからだ。
幸せな家庭の夫である私が愛人と愛し合っている。
その禁忌こそが私の快感だった。
このことを妻が知ったら。そう思うと体が震えた。
このことを妻が知ったら完全に家庭は崩壊だ。
そのとき愛する妻はどんな表情を見せるだろう。愛する妻はどれだけ荒れるだろう。愛する妻はどれだけ壊れるのだろう。
そんな妻の姿をまぶたの裏に映し出すだけで私の顔には笑みがこぼれ、体じゅうに鳥肌が立った。
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