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~テラの監視室~
『27番モニター、追尾。』
『いい男でもいたか、ヴェロニカ?』
『いいえ、でも少しだけ気になる殿方がいらしたものですから。念のために。』
ロシア官房長官の一人娘である彼女は、世界的な科学者であった。
ラブの秘密を知ってしまったことから、この組織に仲間入りしたのである。
『T2、よそ見なさらないで、ちゃんと監視してくださいませ。』
『監視って言ってもなぁ・・・。こう人が多くちゃ、ムリじゃねぇか?だいたい・・・心配し過ぎだぜ、全く。』
~先月~
NASAでのエネルギー生命体ジーグとの死闘を終え、帰国したラブは、マザーコンピュータ「アイ」の元で回復処置を行っていた。
『ラブ、合衆国大統領から電話が入ってますが・・・。後にしましょうか?』
『アイ、私は大丈夫だから、つないで。』
極秘回線である。
嫌な予感がした。
『ラブ、無事で何よりだ。世界を代表して、礼を言わせてもらうよ。』
アメリカ大統領 ウォレスト・バーンである。
『派手に壊しちゃってごめんなさいね。ああする以外方法がなくて・・・』
『いや、いいんだか、実は、あの部屋に隔離されていた火星のサンプルも消し飛んでしまってね。所長がたいそう残念がっていたよ。しかし、あの壁の穴はいったい何が通ったんだね?彼らに聞いても、「人だ」と、バカなことしか言わなくてね。』
『あ・・・あれね。さぁ・・・私は中で戦ってたので。大きなモグラでも出たんじゃないかなぁ~。人ぉ・・・じゃあムリでしょ。うん、ムリムリ。(焦)』
自分を助けに来たT2がやったとは、言えなかった。
『と、ところで、いくら大統領でも。この回線をお見舞いなんかに使っちゃダメよ。』
『おぉ!そうであった。大事なことを伝えたくて。実は、今朝、ヘブンを名乗る者から、犯行予告が来てね。』
ラブの目が細まる。
『ターゲットは「LOVE & ERATH」だと言うんだよ。誰かの悪ふざけかもしれないんだが、ヘブンと名乗るからには、一応、警戒に値するかと思ってね。』
『そのキャッチフレーズは確か・・・』
『そうだ。5月に開催される世界的なフェスティバル「子供の日」だよ。』
ラブは、未来を担う子供達を大切に思い、世界共通のイベントとして、国連協賛の元、子供の日を成立させたのである。
その記念すべき第1回目が、5月5日に開催される。
開催国は、日本。
そして、場所はお台場にあるテラ(ラブの会社)であった。
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