【12】死闘

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『なかなか楽しかったよ、お嬢ちゃん。噂は本当だった様だな。』 ゆっくり、ラブがマイクの方を向く。 『身をもって確かめることね。お前だけは、絶対に許さない!』 『ほぅ。私と闘うつもりらしいな・・・面白い。世界のアイドルが床に這いつくばる姿を、皆に見せてあげようじゃないか。』 『うるさい! できるものならやってみな!!』 (大山さん。あなたに代わって、カタキをとるからね。) 試合が始まった。 ラブが・・・構えた。 それは、大山の流派である、極真鳳明流の型であった。 ラブは一度見た技をすぐに体得できる才能を持っており、またそれを実現可能にする身体能力を有していた。 『フッ。くだらん。』 余裕の表情で、マイクが仕掛ける。 長身から繰り出される拳と蹴りがラブを襲う。 (早っ・・・) 手と脚で、懸命にガードするラブ。瞬く間に、受けた箇所が真っ赤になっていく。 『どうした、手も出せないか?さぁ、少しは楽しませろ。』 攻撃をやめたマイクが誘う。 (大山さん、行きます。) ラブが前に出た。 鳳明流の型による突きと蹴りがテンポ良く繰り出される。 マイクは、それをことごとく見切り、跳ね返す。 『大山の技など無駄だ。ハァッ!!』 ラブの後ろ回し蹴りをかわし、マイクの裏拳がラブの頬を捉えた。 「ガッ!!」 よろめいたところに、前蹴りが襲う。 かろうじて交わしながら、左に回り込み、その回転のまま、裏拳をお返しするラブ。 が、その腕はあっさり捕まり、後ろ手にされたままうつぶせに押し倒された。 『グっ!』 その組み敷いたラブの頬をマイクが・・・舐めた。 『もう終わりか。』 後ろにした腕を思い切り捻る。 「ガキッ!」 『ァアッ!!』 鈍い音が響き、館内から悲鳴が起こる。 マイク立ち上がった。 『痛そうだな。ハハ。さぁ、フィナーレといこうか。立てよ、お嬢ちゃん。』
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