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『なかなか楽しかったよ、お嬢ちゃん。噂は本当だった様だな。』
ゆっくり、ラブがマイクの方を向く。
『身をもって確かめることね。お前だけは、絶対に許さない!』
『ほぅ。私と闘うつもりらしいな・・・面白い。世界のアイドルが床に這いつくばる姿を、皆に見せてあげようじゃないか。』
『うるさい! できるものならやってみな!!』
(大山さん。あなたに代わって、カタキをとるからね。)
試合が始まった。
ラブが・・・構えた。
それは、大山の流派である、極真鳳明流の型であった。
ラブは一度見た技をすぐに体得できる才能を持っており、またそれを実現可能にする身体能力を有していた。
『フッ。くだらん。』
余裕の表情で、マイクが仕掛ける。
長身から繰り出される拳と蹴りがラブを襲う。
(早っ・・・)
手と脚で、懸命にガードするラブ。瞬く間に、受けた箇所が真っ赤になっていく。
『どうした、手も出せないか?さぁ、少しは楽しませろ。』
攻撃をやめたマイクが誘う。
(大山さん、行きます。)
ラブが前に出た。
鳳明流の型による突きと蹴りがテンポ良く繰り出される。
マイクは、それをことごとく見切り、跳ね返す。
『大山の技など無駄だ。ハァッ!!』
ラブの後ろ回し蹴りをかわし、マイクの裏拳がラブの頬を捉えた。
「ガッ!!」
よろめいたところに、前蹴りが襲う。
かろうじて交わしながら、左に回り込み、その回転のまま、裏拳をお返しするラブ。
が、その腕はあっさり捕まり、後ろ手にされたままうつぶせに押し倒された。
『グっ!』
その組み敷いたラブの頬をマイクが・・・舐めた。
『もう終わりか。』
後ろにした腕を思い切り捻る。
「ガキッ!」
『ァアッ!!』
鈍い音が響き、館内から悲鳴が起こる。
マイク立ち上がった。
『痛そうだな。ハハ。さぁ、フィナーレといこうか。立てよ、お嬢ちゃん。』
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