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オルグが教室に着くや否や、ピンクの塊が突っ込んできた。
「おはよう、おねーちゃん!」
「…おはよ、レイ。」
軽く挨拶を交わして、そうそうにどいてもらう。
レイがピンクの帽子をウサギの耳のように揺らす。
「ねぇねぇおねーちゃん?宿題やってきた?僕のうつす?」
「いいよ、やってきたから。」
レイは、兄がいるので、一人称が僕である。
小さいのに、何故オルグのほうが年下か、というと、彼女は正確にいうと、人工的な人形に近いものなので、外見は変わらないが、実年齢は二十歳だからだ。
ちなみに、造ったのは、国際軍隊(以下、国軍)である。
「…はぁ。」
オルグの席はちょうど教卓の前だ。
はっきりいって、かなりのハズレくじである。
オルグはだいたいの授業は寝ているので、ばれて怒られるからだ。
腹立つなぁ…。
オルグは思った。
だいたい、僕は授業なんていらない。
実戦練習だけあればいいのだ。
こんな、数字やらなんやらは戦いには使わない。
事務の奴だけやってろ!!
「おはよう、オルグ。」
「あ…。」
空から声が降ってきた。
「先生、おはようございます。」
顔をあげると、優しい笑顔が見下ろしていた。
彼はライド先生。
学級担任で、国語教師である。
この先生はあまり怒らないので好き。
「はい。ホームルーム始めるよー!」
そして、授業が始まった。
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