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愛は全てに勝つ。
とはいうが、その愛が越えられないのは、意外に学年だったりして。
リムはそんなことを考えていた。
数学。
自分の苦手教科の一つである。
というか、勉強が駄目なのだが。
オルグ、何してるかなーと、窓の外をみると、一年はちょうど体育をやっていた。
金髪など、別にここでは珍しくないのに、オルグはすぐに見つかった。
愛の力、と、言いたいところだが、そうではなかった。
…なんだアレ。
体育で、一年は必ずやらなければならないことがある。
それは、十二段の跳び箱を跳ぶことだ。
更に、普通のものではなく、一段三十㎝の代物である。
一年は、それをだいたい一年かけてクリアする。
だが、オルグは違った。
彼女は、授業開始三分で跳んだのだ。
なんという運動神経。
三階からでもその場が騒然としているのがわかった。
やっぱ怖っ。
だがそれが、己の惚れ込んでいる現実なのだった。
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