ある日一日=クラスメイトと教師たち

4/7
前へ
/127ページ
次へ
愛は全てに勝つ。 とはいうが、その愛が越えられないのは、意外に学年だったりして。 リムはそんなことを考えていた。 数学。 自分の苦手教科の一つである。 というか、勉強が駄目なのだが。 オルグ、何してるかなーと、窓の外をみると、一年はちょうど体育をやっていた。 金髪など、別にここでは珍しくないのに、オルグはすぐに見つかった。 愛の力、と、言いたいところだが、そうではなかった。 …なんだアレ。 体育で、一年は必ずやらなければならないことがある。 それは、十二段の跳び箱を跳ぶことだ。 更に、普通のものではなく、一段三十㎝の代物である。 一年は、それをだいたい一年かけてクリアする。 だが、オルグは違った。 彼女は、授業開始三分で跳んだのだ。 なんという運動神経。 三階からでもその場が騒然としているのがわかった。 やっぱ怖っ。 だがそれが、己の惚れ込んでいる現実なのだった。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加