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あー、イライラする。
早く終われ体育。
一年の体育。
オルグはとても暇だった。
やることがない。
ノルマはもう達成してしまった。
なんでみんなアレが跳べないんだ。
早く跳べ。
きゃいきゃいするな。
イライラする。
あーもーみんな死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ。
「はーい。オルグ、毒吐かないでー。これで一年授業やろうと思ってた先生の気持ちも考えてねー?」
「ライド先生…。」
体育教師は彼ではない。
が、今日は体育教師が機嫌が悪くて、もとい、気分が悪くて休みなので、同期の彼が代わりに指導に来たのだった。
「だって、僕もうやることがないんです。あんなに簡単なのに、みんな終わんないし。」
むくれて文句を垂れると、ライドは呆れて笑った。
「普通は難しいんだよ。アレ。オレも結構かかったし。」
そんなの知らない。
とにかく僕は暇なんだ。イライラしてるんだーッ!
それでも、ライドは妹をあやすように微笑んだ。
「みんなに合わせるのも、大事だよ?」
そういって、オルグの頭を軽く撫でて、行ってしまった。
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