OB=入るときはまず職員室に挨拶を。

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「…眠い。」 一年は今国語の授業中だ。 オルグの目の前では、ライドが何やら呪文のように語っている。 意味わかんね。 何の話しをしているんだろう…。 …。 「オールーグ!寝ちゃ駄目だよ?」 「あ、はい…。」 今僕の意識飛んでたかも。 寝るのを我慢するのは性に合わない。 もういっそ寝ちゃおうかな…。 …。 「ライド先生ーッ!お久しぶりでーっす!」 勢いよく教室のドアが開いた。 教室が騒然とした。 全員が反応しきれないでいるなか、ライドだけは彼に駆け寄った。 「ちょっとサード!まだ授業中だよ!!」 「えー?いいじゃないすかー、オレ、一応元生徒ですよ~?」 とりあえず在校生以外は職員室行ってから!と、ぐいぐいライドに押されながら、サードと呼ばれた彼は名残惜しそうに教室を振り返った。 「!」 なんか…もしかして今目があった? いや、きっときのせいだ。あったとしても、なんてことないじゃん。 何慌ててんだ僕。 はんっ、と一人で鼻で笑ったその時。 「ねぇ!君、名前なんていうの?!」 …。 あれ? なんか…目の前にいるんですけど。 みんなもその異変に気づいている。 こんなことがあるのか。 なんだこいつは。 何か違う…! 「もー!勝手にテレポート使わないでっていつも言ってたでしょー!」 え、先生も、なんでそんな『寄り道ダメだよ』的ノリなんですか。 「あはは、すみません!」 彼は周囲からの視線などものともせず、軽やかに笑った。 とにかく、こんなわけわかんない奴に絡まれて、いいことなんてあるはずがない。
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