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「オルグ!」
「…リム。」
昼の屋上。
オルグはいつもそこで昼食を済ませる。
というか、ここが、彼女のお気に入りの場所なのだ。
「…どうした?なんか元気ないけど。」
顔を覗き込まれる。
心配そうなリムの顔が暗い視界を埋める。
こいつに告げたところで何かあるわけではないが、自然に唇が動いた。
「…実は―」
「オルグ彼氏いたのーッ?!」
きた。
不穏分子が。
しかもかなり面倒な勘違いを土産に抱えて。
「彼氏じゃない。」
サードに刺すような視線を向けながら、オルグが嘆息混じりに答えた。
リムは案の定反応しきれないでマヌケに固まっている。
「なぁんだー、びっくりしたよ。」
サードは軽やかに歩み寄ってきて、お茶目にオルグを指でつついた。
「驚かさないでよマイハニー?」
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