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「うぅ…聞いてよダニエル~。」
「?なんですか?」
なきべそをかいているリムに、ダニエルが天使のように優しく微笑む。
リムは朝の手紙を出して見せた。
「こんなのがさー、今日の朝オルグの靴箱に入っててさー。」
その内容を見て彼の女の子のような顔は青ざめる。
「ぅわー…。僕、こんなの入ってたら、もう立ち直れません~。」
リムはさらに続ける。
「でさー、オルグがさー、オレにこれ見せて、触るなーて…。オレもう生きてく自信ない…。オレもう死ぬ…。」
魂が抜けたようにしぼむリムをダニエルが支えた。
「だっ、大丈夫ですよ~こんなの。ちょっとしたら、オルグちゃんだって忘れますよ~。」
完全なる慰めの言葉をかけるが、リムは反論する。
「いや!あいつは忘れない!!そういう奴だ!!ずーっと根に持って、オレなんかもう何も無くなるんだーッ!!」
確かに。慰めながらも、ダニエルは思った。
オルグちゃんなら、これをネタにリムさんを遠ざけるだろうな…。
ダン!!
リムがいきなり復活した。
「よーし、こんなもの書いた奴なんて、オレがひねり潰すーッ!!」
「え、えぇ~…。」
ダニエルには、もうどうしようもなかった。
この宣言を聞いて、反応した女子が一人。
リムの隣の席、普通な女の子。
そして、手紙を書いた犯人である。
どうしよう―。バレたら、リム君に嫌われる―!
感情が、渦巻いた。
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