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「うっ!!」
リードの指差したほうから、気まずそうな声が聞こえた。
なんだ、あいつ来てたのか。
ばれたならいいかと、のこのこリムが出てきた。
「何?近づいたらダメっていったはずだけど。」
素っ気ない言葉に少し押されながらも、リムがつぶやいた。
「ここなら…会ってもばれないかなーと…思って…。」
オルグは、ふん、とそっぽを向いてしまった。
そんな態度に少し落ち込みながらも、リムはリードの方をみた。
「先生、ちょっと外してもらっていいですか?」
「あん?ああ、いいよ。オレもう職員室行くから。」
そう言い残して、リードはいってしまった。
それを確認して、もう一度、オルグの方をむく。
「オルグ。あのさ…天罰のことなんだけど…。」
オルグは反応しない。
「っ!」
思いっきり息を吸って、強く拳を握る。
耳に痛いほど、自分の鼓動が鳴り響いている。
「オレがっ…!」
負けない―!
「オレが、オルグを守る!あんなの書いた奴なんか、オレがボコるから!!」
きっちり言った。
オルグが、鼻で笑って振り向いた。
「最初からそう言え。僕に逆らえないで何が守るだ。バカリム。」
「え…。」
すとん、と軽く、ベッドから降りて歩きだす。
「もう誰がやったか知ってる。ちょっとイジメてくるから。」
そう言って、出ていってしまったオルグを、リムは唖然として、見送ることしかできなかった。
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