憧れ=loveと尊敬は紙一重?

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「…ついに来ましたね!」 「…ど、どうしたダニエル。」 リムさんが引いていますが、今はそんなこと気にしている場合じゃないんです! 学活。 今日の議題は、掃除当番決めである。 ダニエルはやる気満々だった。 何故なら。 「僕は絶対事務室掃除になるんです!」 ということだからだ。 リムはびびっていた。 なんか…ダニエルが恐い。 今だかつて彼がこんなに燃えていたことがあっただろうか。 多分ない。 さて、掃除場として事務室はどうかというと、あまり人気はない。 何故なら、じむちょーこと四音は、物事に細かいので有名だからだ。日本人だからだと皆はいうが、本人の性格じゃないかとリムは思っている。 だからそんなに気合い入れなくてもいいんじゃないかな…。 「それでは、掃除当番の割り当てを決めます。」 始まった。 ダニエルは戦闘体制だ。 どんどんほかの場所は埋まっていく。 リムも一年生の教室の一番近い場所の掃除場につく。 もう後には、退けないんです! 「次、事務室掃除やりたい人~。」 開戦の合図とともに、ダニエルは思いっきり手を挙げた。 「?!」 リムは目を疑った。 嘘だ。 ダニエルの他にも、事務室掃除を希望している奴がいる―?! それは女子だった。 「女の子…!でも、手加減はしませんよ…!僕だって貫くと決めた志があるのです…!」 ダニエルは固く拳を握る。 自分を信じるのです。 「…リムさん。」 いきなり声をかけられて、驚いた。 「え?な、何?」 ダニエルは真っ直ぐに敵を見つめたままだ。 「僕、負けません。」 ダニエルが珍しく男らしく見える。(やっていることは全くそうは感じないが) ダニエルは拳を突き出した。 僕の、人生を賭けた勝負。 負けるわけには、いきません! 「いきますよっ!最初はグー!じゃんけん―」
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