92人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ついに来ましたね!」
「…ど、どうしたダニエル。」
リムさんが引いていますが、今はそんなこと気にしている場合じゃないんです!
学活。
今日の議題は、掃除当番決めである。
ダニエルはやる気満々だった。
何故なら。
「僕は絶対事務室掃除になるんです!」
ということだからだ。
リムはびびっていた。
なんか…ダニエルが恐い。
今だかつて彼がこんなに燃えていたことがあっただろうか。
多分ない。
さて、掃除場として事務室はどうかというと、あまり人気はない。
何故なら、じむちょーこと四音は、物事に細かいので有名だからだ。日本人だからだと皆はいうが、本人の性格じゃないかとリムは思っている。
だからそんなに気合い入れなくてもいいんじゃないかな…。
「それでは、掃除当番の割り当てを決めます。」
始まった。
ダニエルは戦闘体制だ。
どんどんほかの場所は埋まっていく。
リムも一年生の教室の一番近い場所の掃除場につく。
もう後には、退けないんです!
「次、事務室掃除やりたい人~。」
開戦の合図とともに、ダニエルは思いっきり手を挙げた。
「?!」
リムは目を疑った。
嘘だ。
ダニエルの他にも、事務室掃除を希望している奴がいる―?!
それは女子だった。
「女の子…!でも、手加減はしませんよ…!僕だって貫くと決めた志があるのです…!」
ダニエルは固く拳を握る。
自分を信じるのです。
「…リムさん。」
いきなり声をかけられて、驚いた。
「え?な、何?」
ダニエルは真っ直ぐに敵を見つめたままだ。
「僕、負けません。」
ダニエルが珍しく男らしく見える。(やっていることは全くそうは感じないが)
ダニエルは拳を突き出した。
僕の、人生を賭けた勝負。
負けるわけには、いきません!
「いきますよっ!最初はグー!じゃんけん―」
最初のコメントを投稿しよう!