夕陽の街の襲撃者

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ちょうど朝6時半に目が覚めた。 顔を洗い、歯を磨いて、飯を食う。 今朝の俺はとても正常だったんだ。それはそれは変わらぬ毎日の始まりだったさ。 さして変わり映えのない、寒い冬の日の朝って感じね。 まあどれくらい正常だったかとあえて言うならば、いま正に秒針を刻む俺の腕時計くらいには正常だったと言えよう。 チクタクチクタク……俺の人生は着実に、それでいて何の手応えもなく進んでいた。 退屈な人生? いや、それで良かったのだ。 少なくとも、今の俺は満足だった。 毎日3食飯を食って、悪友たちとくだらない時間を過ごした。 好きな子が出来たり、その子には彼氏がいたり、プチ不登校になってみたり。 クラスの誰かがクラスの誰かに理不尽に殴られていようとも関係ない。 成績は上がり下がり……がしかし卒業は出来そうだ、良かった、なんて考えてる。 流されている? 違うな、俺は俺の意志で流れてゆくのだ。(胸張って言えたことではないかも知れない) 個性がない? なんだそれ食えんのかよ。 とにかく俺は、不満を我慢できない子供じゃあない。 不満を対処できない子供じゃあないんだ。 そんなわけで今自分が置かれている状況を冷静に判断しようじゃないか。
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