学園へ――

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なんとなく ほっといたらいけないような気がした もとから俺の性格はこんなんだけど 何故だかこいつの前を素通りしちゃいけない気がしたんだ 「…何してんだ?」 編入生の前に停まった車から降り編入生の前に立つ そしたらゆっくりと顔を上げた… それを見て思わず息を飲んだ ぱっと見はがり勉野郎 いや、それだけじゃなくてオタクみたいな根暗そうな奴 でも俺を見上げるその瞳が微かに潤んでいて 頬も少し赤くなっていて 無意識だろうけど、上目使いで見上げてくる顔が 見た目の根暗そうなイメージを一掃してしまった 「歩き疲れてしまって…ここ、門から校舎まで遠いんですね」 声も低いが、少し高めで聞きやすくて もっと聞きたいと思った もっと傍にいたいなって思った まぁ どのみちこいつが編入生なら一緒の部屋なんだけどな… .
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