学園へ――

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「じゃあお言葉に甘えて」 そう言って立とうとする転校生に手を伸ばした 彼は俺を見上げてから、ゆっくりその手を取った 何故だか この手をこのまま握っていたい気持ちになる 何故だか解らないけど… 「お邪魔します…ってすっげぇ広っ」 いきなりかわったその言葉遣いにも驚いた 今まで敬語で話していた彼が、外面からは思うことのできない喋り方をする もしかしたらこの喋り方が彼の本当の喋り方なのかもしれない だったら… 俺も敬語使わないで話して欲しい 同級生とか同い年だからとかじゃなくて… 普通に、話してほしい そう思った理由は解らないけど… 「どうぞ。それにしても門からずっと歩いてきたのか?ここ門から校舎までだいぶあるけど…」 そう言うと彼は俺を見て固まった 「ちなみにどれくらい…」 .
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