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ふと思い当たる節があり、大輔は美咲に聞いてみた。
「確か美咲って八神京介と1年の時同じクラスだったよな?あのさ‥‥八神ってどんな奴?」
まるで意図していなかった事を聞かれ、戸惑いながらも美咲は答えてきた。
「八神君?あ~‥‥頭は凄く良いよ?確か常に学年1位に入ってた筈だし。」
それを聞いた圭子は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「あいつのせいでいつも私は2位なんだよな‥‥。悔しいが頭は良いんだろう」
凄く悔しそうな顔をしながら圭子は大輔を睨んでいる。どうやら地雷を踏んだようだ。
大輔は八つ当たりをされてバツが悪そうに顔を背けた。
感情を素直に出す圭子はやっぱり苦手だ。しかも決まって負の感情だし‥‥。
『キーンコーンカーンコーン‥‥』
予鈴がなった。言及とこれ以上の八つ当たりを受けずに済んだようだ。
「美咲ありがとうな!じゃ、さっさと教室に入ろうぜ!」
敢えて圭子には御礼を言わずに、教室に入ろうとした。振り返り様に見た圭子の顔は、お世辞にも穏やかとは言い難い顔だった。多分‥‥自分だけ御礼を言われなかったことに腹を立てているのだろう。
大輔は内心舌を出しながら、自分の席に向かった。
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