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八神は考える。
(疑っているようだな。先程のは迂闊だった)
目の前の席に座る氏木大輔は、取り敢えず疑問は残ってはいるものの、あまり深くは疑ってはいないようだ。
八神は考える。
(人等はそんなものだろう。自分に認められないものはどう考えても否定するだけだ)
自分を深くは疑ってはいない。ならば障害にはならない。
八神は考える。多少楽観的だと自覚はしていても、人は人である内は、常識から外れたものを受け入れられない。
だから人なのか。
八神は考える。先程とは違い深く、意識を内に向ける。
("七不思議"が動きだしたか‥‥。ならば近い内に‥‥。)
思考はそこで遮られた。教師が教室に入ってきたのだ。
八神にとっては退屈な50分が始まろうとしていた。
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