The omen of the accident

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放課後の教室。大輔は一人席に座り、誰も居ないグラウンドを眺めていた。   帰り際に、美咲から買い物に付き合って欲しいと頼まれたからだ。学校では圭子が常に美咲の近くにいる為、二人きりになる機会はあまりない。たまに訪れる美咲からの誘いは、大輔にとっては至福の一時なのだ。   美咲は職員室に用事があるらしく、まだ帰って来ない。誰もいない教室は少し怖いものがあったが、これからの楽しい時間に思いを馳せると、そんな恐怖心も薄らぐ。   ふと壁に掛けられた時計を見た。時刻は5時を少し過ぎた所だ。まだ外は明るいが、電気の消えた校舎は薄暗くなり始めている。
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