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京介「犬神?犬神って、確か犬を餓死寸前までにして、死ぬ直前で首をはねるってやつじゃなかったか?」
裕佳梨「それは呪法に使う犬神ね、ごく稀に自然に発生する犬神もいるのよ」
京介「あれがそうだと?」
裕佳梨「そこまではわからない―」
― ガァアアア!
裕佳梨「キャアアァ!」
京介「危ない!」
京介は咄嗟に裕佳梨を庇い、噛みついてきた犬神に噛みつかれた。
― リィイイ!
耳鳴りと共に世界から色が失われていく
?「―和尚!―ここは――に巻き込まれ――」
京介(やっちまった・・・
ん?
良く聞き取れないな、それにこいつの格好は鎧?)
?「しかし、ここには――や、小さな―が――」
京介(なんで聞き取れない?
って俺は犬じゃないのかよ?犬神って人間でもなれるのか?)
― ザザザ
京介の視界にノイズが走る
京介(さっきと場所が変わった?ここは?)
京介の視界には鎧を着込んだ男達が戦っている
京介(戦場?時代劇みたいだ)
京介「ガァアアア!」
京介(犬になった!?)
戦場の中で京介は鎧を着た男達の喉を噛みきりながら進む、時折振り返り背後にある寺らしき建物を見ながら
京介(こいつ、あの寺を気にしている?なんで?)
そしてそのまま戦う内に京介の意識は薄れていった・・・
京介「ハッ!?」
京介(犬が喋った!?
ん?・・・
ウワァアア!)
京介が辺りを見回したところ、いつの間にか京介の周りは死体だらけになっていた、鎧を着た死体、鎧を着ていない死体、女の死体、そして子供の死体。
京介「そんな・・・
そんな!そんなぁあああ!!
ウワァアア!!!」
― バシンッ!
まるで電源が落ちるように京介の視界が消えた。
京介「ハッ!?」
京介は周りを見渡す
京介「・・・戻ってきたのか?」
裕佳梨「大丈夫!?京介!?」
京介はこちらを睨んでいる犬神から目を話さずに言った。
京介「俺は大丈夫、それよりあの犬神は元は人間かもしれない・・・」
裕佳梨「えぇ!?」
犬神はゆっくりと口を動かし、喋った。
犬神「左様、ワシは姿こそ犬だが、人間だ」
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