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犬が喋るのは、異様な光景だった。
裕佳梨「まさかあなた!?
・・・畜生衣なの?」
京介「なんだ?その畜生衣って?」
犬神「ワシが教えてやろう、犬神は知っておるかな?」
京介「あ、ああ、それは知っている」
京介は急に話しかけられて焦った。
裕佳梨「そういえばあなた、正気を保てるの!?」
犬神「なんとかな、・・・たまに保てないが」
京介「裕佳梨、何の話だ?」
犬神「畜生衣って言うのはな、早い話が犬神憑きの事なんだよ」
裕佳梨「前に言ったでしょ?能力者の中には断絶された時空の主を自分にとり憑かせる者がいるって
だからこの人はその能力者で犬神って言う、犬から発生した断絶された時空が形を成したものを自分にとり憑かせたって訳、そして犬から出来た断絶された時空は人間のと違いその呪いは非常に強力よ」
京介「つまりその強力な犬神の力を使う方法が畜生衣って事か?」
裕佳梨「まぁね、でも普通はただ犬神憑きと言えば良いのをなんで畜生衣って感じ悪い名前つけるかわかる?
この方法は普通は正気を保てないのよ」
犬神「さっきも言っただろ?完全には正気を保てないんだよ
そしてその為に・・・」
京介「その為に・・・何ですか?」
犬神「いや、何でもない・・・」
京介「それで裕佳梨、この犬神の・・・
名前は何て言うんですか?」
犬神「ワシか?ワシは徳庵と言う」
京介「どうも
・・・それでゆかり、徳庵さんをどうするんだ?」
裕佳梨「う~ん本来なら成仏してもらうんだけど・・・
徳庵さん、私達の仲間にならない?」
京介「おい!ゆかり!?何を考えているんだ!?
聞いてなかったのか?たまに正気を保てないと本人が言っていたのを!?」
徳庵「そうだ!ワシは自分では成仏出来なくなったから自分で自分を封印していたんだ。
見たところあんたは力があるんだろ?どうかワシを成仏させてくれ!」
懇願する徳庵に裕佳梨はきっぱりと言った。
裕佳梨「いいえ!徳庵さん、あなたには強い未練を感じます。
私は出来れば、死者は未練を残さず成仏して欲しいと考えています、しかし時折暴走する貴方を放っておく事も出来ない。
だから私達の仲間にならないかと誘った訳です」
徳庵「・・・そうか、ならしばらく世話になるよ、よろしく頼む」
徳庵の返答に裕佳梨は顔色を明るくさせて答えた。
裕佳梨「こちらこそよろしく!」
京介(また変なのが・・・)
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