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揺れる電車の中で京介はおだやかな外の景色をのんびり眺めていた。
京介「え~っと、なんでこんなところにいるんだっけ?」
輝「ごめん、京介君、俺の事なのにつき合ってもらって」
裕佳梨「気にしなくていいわよ、輝君、交通費まで出してもらっているんだから」
京介「お前は気にしろ」
あの夜、輝は死神姿の裕佳梨を見ると
輝「やっぱり死神!実は少し前にも幽霊?を切る裕佳梨さんとそれを見ていた京 介君を見ていたんだ」
京介(しまったな、普通は見えないとタカをくくっていたな)
輝「その時は少ししか見ていなかったから確信を持てなかったが、今夜の事でハッキリした」
京介(くっ、それをネタに脅すつもりか?)
輝「ぜひ助けてほしい事があるんだ!」
京介「へっ?」
裕佳梨「も~、京介は心配しすぎなのよ」
京介「ああ、そうだな・・・ん?
何、人の心読んでいるんだよ!?そういう技も使えるのか!?」
裕佳梨「んにゃ、京介がわかりやすいだけ」
徳庵「確かに京介殿の顔色は読みやすいな」
京介「徳庵さんまで」
輝「い、犬が喋った!?」
裕佳梨「落ちついて輝君、徳庵さんは見た目は犬だけど人だから大丈夫よ」
輝「は、はい」
京介(何がどう大丈夫何だよ?)
京介「それで?助けてほしい事とは?」
輝「あ、ああ、俺の故郷は山奥にある田舎村なんだが、その村には何代もつづく大富豪一族がいるんだ
俺はその一族の女の子と幼馴染だったんだが・・・」
輝はそこで端から見てもわかるくらいに落胆した。
輝「亡くなったんだ」
裕佳梨「でもあなたはその死に方に不信を抱いているわけね?」
輝「ああ、まず気になったのは葬式の時だ、見た目は普通の葬式で皆、悲しんでいるように見える
しかし・・・俺には心なしか喜んでいるように見えたんだ、最初は気のせいと思ったんだが・・・」
裕佳梨「何か見たか聞いたのね?」
輝「ああ、偶然だが俺は聞いたんだ、一族の長老と呼ばれる奴と取巻きの会話を・・・」
京介「何を聞いたんだ?」
輝は拳を握り怒気をはらませ言った。
輝「あいつら、これで一族は安泰だとかぬかしやがったんだ!!」
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