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翌日、京介達は例の屋敷の裏にある山に入っていたが
京介「なぁ、輝、これって・・・」
輝「うん、裕佳梨さんや徳庵さんとはぐれた上に迷ったね」
京介「携帯は圏外か・・・」
輝「京介君、あれを!」
京介「・・・最初、山に入った所だ、グルッと一周したのか?」
輝「どうする?」
京介「あいつらは多少迷っても大丈夫なんだろうが、俺らはそうはいかないからな、しばらく待つか」
輝「うん、そうしようか」
京介「・・・なぁ、お前の幼なじみって名前なんだ?」
輝「澪、月島澪って言うんだ、この辺は高校が無いから俺は引っ越ししたが、それまでは毎日のように会っていたんだ、向こうの親は俺みたいな普通の家庭の子と仲良くするのに良い顔はしなかったけど」
京介「何代も続く大富豪な家柄ならそれなりの良家と仲良くして貰いたいんだろうな、本人の意見無視で」
輝「それで引っ越しした後もマメに連絡していたんだ、しかしある日を境に連絡が取れなくなったんだ
・・・そしてある日、俺は親から澪が亡くなったと言う連絡をもらったんだ」
京介「なんか、唐突だな」
輝「うん、信じられなかった・・・
とりあえず俺はいったん帰郷したんだ、そして参加した葬式であの話を聞いたんだ」
京介「・・・そうか」
京介は自分も恋人を自分と関係無いところで亡くしているから輝の辛さがよくわかった。
輝「警察に調べてもらおうにも証拠がない、俺は半分泣き寝入りしていた、しかしそんな時に裕佳梨さん達に会えたんだ、俺は大袈裟かも知れないがこれは何かの導きと思ったんだ」
裕佳梨「そんな訳だったのね」
京介「裕佳梨!」
不意に裕佳梨が空から降りてきた。
裕佳梨「徳庵さーん、京介達いましたよ」
しばらくして木の上から徳庵が降りてきた。
徳庵「おお、京介殿に輝殿、無事だったか?」
裕佳梨「いやー探したわよ二人とも、迂闊だったわ、まさかこの山にまで結界が貼ってあるとは思わなかったわ」
京介「結界!?俺と輝は迷っただけだぞ?」
裕佳梨「だからそういう結界なの、恐らく途中で無意識に方向転換したはずよ」
京介「ならお前達は?」
徳庵「この結界は人向けのやつで、我等人外には影響がない結界だ」
裕佳梨「しかし、分かればこちらのもの、こんな結界を貼ってあるくらいだわ、この山には何かがある、さぁ今度こそ行くわよ!」
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