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深々と刺さった包丁が引き抜かれる、色を失った世界で血と思われる真っ黒な液体が溢れてくる。
京介(な!何をしやがる!)
京介は叫んだつもりだった、しかしその声は出なかった。
京介(話せない!?)
代わりに京介の口から出たのは。
京介「キャアアアア!!!」
京介(女の声!?)
京介は完全に混乱していた、やがて京介の意識は遠くなっていった。
「・・・・・!」
祐希「・・・すけ!」
祐希「京介!」
京介「はっ!?祐希!?あいつは何処だ!?それから病院に連絡・・・ん?」
京介は自分の腹部を見てみた、しかしそこは何ともなっていなかった。
祐希「どうしたんだよ?少し落ち着けよ」
京介「・・・あれ?」
京介は辺りを見渡す、先ほどまでの異様な世界はどこにもなくなっていた。
祐希「どうしたんだよ、ふらふら歩いていったと思ったら急に痙攣始めて、まるで何かに取り憑かれたみたいだったぜ」
京介(取り憑かれたみたいだと・・・もしかしたら)
京介「なぁ、祐希、地図を持っていただろ?近くに図書館か何かないか?」
祐希「あ?図書館?それがどうした?」
京介「少し考えがあるんだ」
そこで二人は図書館に向かうことにした。
京介(やはり、あの路地裏で帰宅途中の女子大生がストーカーに刺されるという殺人事件が起きていたんだ)
京介「祐希・・・聞いて欲しい事があるんだ」
京介はモノクロに見える空間の事や先ほど体験した事を祐希に話した。
祐希「ちょ・・・ちょっと待てよ、それじゃ何か?お前は霊能者か何かって事か?」
京介「あれが霊かどうかはわからないし、あれに触れたら全部がああなるかはわからないけどな」
祐希「俺を驚かそうと芝居している訳では無いよな?」
京介「俺がそんな器用な事が出来ないのはお前がよく知っているだろ?」
祐希「・・・わかった、信じるよ、しかし、その事は秘密にしていた方がいいな」
こうして京介は自分が霊能者という事を知った。
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